太田光、世論に「異議あり」 テレビや笑い、戦争、死生観…常識に鋭く切り込む(夕刊フジ)

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【BOOK】太田光さん『違和感』扶桑社1400円+税

 結成30周年を迎えた「爆笑問題」では無二の相方・田中裕二とシニカルな笑いで列島を沸かしてきた。映画監督や小説家としても冴えを見せ、本作では『違和感』を覚える世間の論調に「異議あり」を突きつけた。(文・高山和久)

 --出版のきっかけは

 「違和感をテーマに、という編集者さんの話があり、お受けしました」

 --最近の違和感は?

 「松山刑務所から脱走した受刑者の動機が『刑務所内の人間関係』というのは少し驚いたね。服役中にイジメがありましたっていうのは確かに今では問題だよ。でもたとえば漫画『あしたのジョー』で矢吹丈が鑑別所に入れられ、そこでボスのマンモス西が2段ベッドの上から丈の腹の上に飛び降りる、あれもイジメになるのかな。われわれはそうは思わなかったけど、今だとケシカランということなんですね」

 --前作『しごとのはなし』から7年。世間は変化しましたか

 「パッと何かが変わったとは思わないね。自分自身も53歳になって変わっていくかなと思ったけれど、全然変わっていないことに驚いている。違和感という意味では、ずっと解消しないまま。違和感がなくなったら何かに同化したってことで、自分がなくなっちゃうかもしれないね」

 --新著では「自分への問いかけ」も

 「自分と世間というのは重なっていますよね。笑い、仕事もそうだしね。本来はひとつのこと。一番に違和感を覚えるのは自分なんでしょうね。自分の中から出てくる話だからね」

 --違和感も変化する

 「ネットが普及したことによって、みんなが口に出さなかったような攻撃的なことが、しっかりと文字で見えるようなったよね。変わったようにみえるけれど、人が突然にそういう感情を持ち始めたわけじゃなくて、感情を押し殺していたか、どこかで何かを発散していたんじゃないかな。見えてないものが見える時代になったということが、いい意味でも悪い意味でも変化したってことじゃないのかな」

 --“違和感”の大先輩、立川談志さんとビートたけしさんは偉大だと

 「談志師匠は芸に凄みがあるっていうんでしょうか。たけしさんも同じ。いろんな意味で感情を揺り動かすことができて表現が豊か。ボクは見ている人を夢中にさせる凄さに追いつくことが到底できない…。談志師匠は、落語のなにかしらの到達点に達して、音楽や舞踏、文芸の女神、ミューズが降りてきていると思うけれど、ボクはミューズに見放されている。もし、芸能の神様がいたとしたら、ボクのところは見向きもせず無視されているなあって、ずっと感じているんですよ。そのかわり、もし自分が納得できる作品が作れたなら、それはボクの力であって神様の力じゃない。談志師匠やたけしさんは神様に手伝ってもらっていますけれど(笑)」

 --チャプリンの話を

 「チャプリンは衝撃を受けたというよりも、子どもの頃から現在に至るまで、あこがれ続けている人。映画『バカヤロー!2 幸せになりたい。』で監督をやらせてもらって以来27年ぶりにメガホンをとりました。“新しい地図”(香取慎吾、草なぎ剛、稲垣吾郎)が出演するオムニバス映画『クソ野郎と美しき世界』の中のエピソード『光へ、航(わた)る』なんですが“遠い部分”ではチャプリンの天才的な才能に憧れ、影響を受けたといえますね」

 --爆問30周年。「笑い」が持つ意味とは

 「安心であり、居心地の良さみたいなものかな。笑いがあるということで世の中のものを許すことができる。談志師匠の『落語は人間の業の肯定だ』という言葉どおり、人間が人間であることを許してくれている」

 --田中さんと長く続けられた秘訣は

 「コンビ結成から3カ月目に田中が『解散だ!』と叫んだからね。続けられたということは、達成できてないことがいっぱいあるからかもしれないね。このままじゃ辞められないという部分があるんだよ」

 --節目の次は?

 「単独ライブもあるし、いま小説を書いているから、記念の年に間に合わせたいねぇ」

 ■あらすじ 50歳を過ぎた著者が、テレビや笑い、戦争、死生観など、世の中で「そういうもんだろう」と受け流してきた“常識”を4つの章に分けて鋭く斬り込む。「『いじめ』と『いじり』は違うというが、俺はまったく同じだと思っている」「どうせ引きこもるなら矢印を自分に向けて、孤独を感じたほうがいい」など、新たな見解で深層へ迫る。尊敬する立川談志、ビートたけしと食事をした上野のうなぎ屋で語りあった秘話も披露されている。

 ■太田光(おおた・ひかり) 1965年、埼玉県生まれ。53歳。88年、日本大学芸術学部演劇学科で出会った田中裕二とお笑いコンビ「爆笑問題」を結成、ラ・ママ新人コント大会でデビュー。93年「NHK新人演芸大賞」で漫才初の大賞受賞。2006年「芸術選奨文部科学大臣賞」放送部門など受賞。テレビ、ラジオなどのレギュラー番組多数。『爆笑問題の日本原論』『文明の子』など著書も多い。

こういうときはひとまず、
本当に実践した体験者の
口コミを参考にしたいですよね。

わたしが気になっているのはコレ・・・

【賛否両論】意見がいろいろあるのも分かるけど

ちゃんと判断したいので
ネタバレやレビューを読んでると・・・

効果はもちろんだけど、
行き詰った時などメールサポート等は、
すぐに返事があってイイみたい。

サポートが【親切】って
購入者の多くが言ってるみたいだね。

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