陸上・日本学生対校選手権第2日 ( 2017年9月9日 福井県営陸上競技場 )。
男子100メートル決勝に出場した桐生祥秀(21=東洋大)が日本人初の10秒台の壁を破り、9秒98(追い風1・8メートル)を記録した。
1998年に伊東浩司が出した10秒00の日本記録を19年ぶりに塗り替えた。
2020年東京五輪を前にして、日本短距離界が新しいステージに突入した。
「9・99」の表示から記録確定まで、30秒以上ものじれったい時間が流れた。
98年に伊東浩司が10秒00の日本記録を出した時も速報値は9秒99。
桐生は思い出していた。
「伊東さんの映像を見ていたのでゴールした瞬間は10秒00が頭をよぎった」。
立ち見続出8000人の観衆と一緒に確定の表示を待った。
やっと出たのは「9・98」。
「4年間結果がでなかった自己新をやっと更新できた」。
日本人初10秒の壁を破り、ガッツポーズが出た。
レース前招集場ではシューズの爪先が破れていることに気がついた。
靴を替える事故にも動揺せずに腹を決めた。
「足に不安があったけど、怪我をしたら仕方ないと思って、今大会初めて思い切りスタートをした」。
ライバルの多田が先行し、苦手の追う展開になったが80メートル付近でかわした。
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